司法書士試験の合格を目指す方は、予備校へ通学もしくは通信講座を受講されている方が多いと思います。ただ、学費は決して安いものではありません。中には費用の捻出が難しく、受講を保留にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういった事情を知ってか、司法書士奨学生を募集する事務所が出てきました。
司法書士受験指導校の授業料を司法書士事務所が奨学金制度として提供するというものです。大学在学中に新聞奨学生を経験された方もいらっしゃるかもしれませんが、その司法書士試験版に近いものとなるようです。授業料の一部を事務所が負担していただけます。
日中は司法書士事務所で働きながら、夜は受験指導校にて勉強をしていただき、試験合格を目指していただくというものです。合格した後、事務所で司法書士として一定期間勤務をすれば返還は不要という事務所もあります。
司法書士有資格者の人材不足だと推測されます。近年は東京都内の事務所でも資格者の採用が難航しています。埼玉県、千葉県といった首都圏でも都市部を離れると、応募自体が全くないという事務所も珍しくありません。
採用が難しいのであれば、補助者を採用してその方に資格を取ってもらえるようバックアップをして、合格後は即戦力の司法書士として事務所に勤務いただく。こういった流れを作り出したいという意図があると考えています。
司法書士試験勉強中の方にとっては、実務を学ぶチャンスもあり、受験指導校の費用も補助してもらえるため非常にありがたい制度ではないかと考えています。他士業においても税理士事務所でも税理士の奨学生を募集している事務所もありました。
近年、大学生で奨学金を借りていたため、受験指導校に通いたくても返済のため費用が捻出できないという話を伺うようになりました。今回のような奨学生制度ができると、資格試験を目指す方への後押しにつながると考えています。この流れが広まってくれることを期待しています。
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